受賞作品

 

島根県浜田市出身の日本画家・石本正画伯(1920-2015)の功績を顕彰し、未来への希望に満ちた学生たちの創作活動を奨励するために開催してきた「石本正日本画大賞展」。全国の日本画専攻を有する美術系大学に、優秀な学生作品の推薦を依頼し、今年は28校よりご出品いただきました。

そして9月2日(金)、全77作品の中から大賞1点、準大賞2点、特別賞2点、奨励賞5点を決める審査会が行われました。

審査員の中野嘉之先生、土屋禮一先生、西久松吉雄館長(石正美術館)による厳正な審査の結果選ばれた受賞作品を発表します。受賞者の皆さま、おめでとうございます!

【 大賞 】

《息づく》 大橋 裕子 おおはし ゆうこ

 倉敷芸術科学大学 特別研究生2年

 

【作品コメント】

 ふと目にとまった微少なものにも営みがあることに気づくと、まだ見ぬものたちにも思いを馳せる。

 自然界の至る所から聞こえてくる息づかいの一つは私自身でもあり、全ては繋がり響き合っている、そんな思いで描いた。

 

 【 準大賞 】

 第一席

《暗中模索》小林 美野理 こばやし みのり 

   奈良芸術短期大学 専攻科1年

 

【作品コメント】

あの暗い道は一本道ではない。あの出口にはそう簡単にたどりつけない。

 

 第二席

《夢の中で》 當真 凛大  とうま りんた 

 沖縄県立芸術大学 修士1年

 

【作品コメント】

夢をみるときのあらゆる視点や平行感が定まらず、すべての解像度が低い不思議な感覚になることを表現しました。起きた時には夢の記憶は消え失せて感情しか残らないモヤモヤした感じが伝わるように心がけました。

 


【 特別賞 】

日本海信用金庫 理事長賞

《清涼》 山田 翔大 やまだ しょうた 

 奈良芸術短期大学 専攻科1年

 

【作品コメント】 

祖父から譲り受けたコケと植物が生えた陶器鉢です。オリヅルランやシェフレラが生き生きとした様は、いつも私に元気をくれます。偶然コクワガタが陶器鉢に乗る様子を見て、涼しい夏を思い描いてみたくなりました。

 

浜田芸術文化のまちづくり推進協会賞

《のんのん》森 映里奈 もり えりな 

 名古屋芸術大学 3年 

 

 【作品コメント】

午前6時木魚の音と共に般若心経が聞こえてくる。

ばばの日課である。

 


【 奨励賞 】(50音順)

《台所の情景》 川﨑 千尋 かわさき ちひろ  

 成安造形大学 4年

 

【作品コメント】 

夕食を準備中の台所、特に魚焼き網にのったカレイが美しかったので、その印象を描きました。

《春になる》 張 安迪 ちょう あんてき

 武蔵野美術大学 博士3年

 

【作品コメント】 

生命が静まってきて、最終は土に還る。その時、肉体も霊魂も、この世界に溶けていき、万物と融合される。風になるか、土になるか、山野のユリにもなるか。人間は死ぬのではなく、ただ肉体から離れ、春になった。

 


《ワタシノツクエ》 柘植 省吾 つげ しょうご 

 筑波大学 修士1

 

【作品コメント】 

絵の具を重ねては削ってを繰り返して、脆くて強い画面を目指している。そういった画面とのやりとりを通して、使い古した机に残った痕跡の様なものを表現したいと思った。だから画面に手垢を残すようにやりとりを重ねた。

 

《reflection》 平井 実愛 ひらい みあ 

 嵯峨美術大学 修士1年

 

【作品コメント】 

人は心の内に様々な感情を持っているもの。その中にある本音を捉えようと模索しました。人が無防備な状態で無意識にしてしまう仕草にこそ、本音があると考えます。

 


《天つ日》 吉本 悠華 よしもと ゆうか 

 女子美術大学 4年

 

【作品コメント】 

「嬉しいと心に自然が生える」

という言葉からできた作品です。

 

絵の中の彼が言った言葉です。

 

曖昧な心の変化を表現したいと思いました。

 

森の中で食事をしているような、優しい空間になるように意識しました。