石本正 日本画大賞展とは

概要


本展は、島根県浜田市出身の日本画家・石本正(いしもと しょう/1920-2015)の功績を顕彰し、未来への希望に満ちた学生の創作活動を奨励するものです。長きにわたる画業の中で後進の育成にも心を注ぎ、多くの画家を画壇へ送り出してきた石本は「学生の作品には欲が無く気力がある。作家と対象との心の交流があり、見る者に訴えかけてくる」と語り、若い力が生み出す作品の純粋性を愛していました。

石本正 日本画大賞展では、全国で日本画を修める大学に推薦を依頼し、石本の画心を受け継ぐ選考委員の方々より、優秀な作品に賞を与えて奨学します。昨年は、新型コロナウィルス感染症拡大自粛要請に伴う全国の芸術大学の授業状況を鑑み開催を見送りました。

 

しかしこのような時こそ、学生の皆さんの創作の励みとなる展覧会でありたいと考え、2011年の美術大学選抜日本画展から数えて記念すべき10回目として開催を決めました。本年も心あるすばらしい作品が出品されることを願っております。

●日本画家・石本正について

http://www.sekisho-art-museum.jp/ishimoto

(石正美術館公式ホームページ)


審査員より 学生の皆さんへメッセージ


(敬称略)

中野 嘉之

2021年度「第6回 石本正 日本画大賞展」は今回記念の第10回展の節目となります。全国大学29校から86作品の出品者の予定であります。まだまだ予断の許さない時期でありますが、そのような時こそ心の奥底から発する信なるものは何かを答う絶好の時間であると思います。

奮い起した緊張感は新たな発想を生み出すでしょう。

互にこの時を意味のある時空である事を祈ります。

 

(多摩美術大学名誉教授)


土屋 禮一

かって土屋さんはよく水面を描かれますが、何故ですかと聞かれたことがあります。父を亡くした16歳の若き日、母や親戚が葬儀の準備等で忙しくしている中、これからの土屋家はどうなるんだろうと、庭の池の水面をただただ眺めていたことを思い出します。子供なりにあの日の切実感が水面を見ると蘇ります。

絵を描くとき、こう描きたかった表現したかったという根拠に深く気がつくことです。それが自分に出会うという重要なことなのです。風で草が揺れるのを見て弱さを感じた日もあれば、状況が同じなのに強さを感じた日もあります。自分の奥底の気持ちに向き合って、描き現す創造の世界に突き進んで行ってください。

 

 

(金沢美術工芸大学名誉教授・武蔵野美術大学客員教授)


西久松 吉雄

この状況下で芸術大学の実習授業は、対面によるコミュニケーションでないと伝達できないことがある、そして作品自体と直に対話しながらの制作する現場を維持する、その大切さが再認識され対応されている。

美術に関わる私たちは、自己管理のもと創作活動への意欲と発表の機会を求めて、ひたすら描く姿勢を貫くことが最善と判断した方も多いと思います。

絵を描く喜びや楽しさは、石本正先生が感動する心を「絵をかくよろこび」の著書でも語られている。展覧会が延期や中止、また対策をしての開催など様々ある中、第6回 石本正 日本画大賞展の開催は、更に意義ある展覧会になると期待しています。

 

(成安造形大学名誉教授・浜田市立石正美術館館長)


平坂 常弘

石本先生はお亡くなりになるまで、御自宅のアトリエを教室として学生たちを受け入れ、絵の心を話されていました。その姿が今も瞼に浮かんできます。石本先生は画家であると同時に生涯、「自ら学び感じる心」を育てる指導者として、若き才能の傍らにありました。学生の皆さんにとっても此の数年は、コロナ感染に振り回された厳しい日々であり、社会であったように思います。この大賞展もやむなく延期してきました。今年度から石本正先生の精神をより心に受け止め、広く学生の皆さんに支援できる体制を確立し、地方からですが応援していければと思っております。

 

(浜田市立石正美術館顧問)


受賞作品、副賞について


出品作品の中から、厳正なる審査の上、次の通り受賞作品を決定します。(大賞・準大賞作品は浜田市立石正美術館に収蔵されます)

 

■大賞………1点                              (副賞)奨学金30万円

■準大賞……2点                                (副賞)奨学金20万円

■特別賞……2点

  日本海信用金庫 理事長賞                  (副賞)奨学金10万円

  浜田芸術文化のまちづくり推進協会賞 (副賞)奨学金10万円

■奨励賞……5点                                 (副賞)奨学金 5万円

◎あわせて、全受賞者に浜田市三隅町の伝統工芸品『石州和紙』(50号サイズ一枚)を贈呈。

 

この度、コロナ禍において日本画を学ぶ学生を支援したいと地元・浜田市の日本海信用金庫様、特定非営利活動法人 浜田芸術文化のまちづくり推進協会様の協賛により特別賞を設けることができました。本展の趣旨にご賛同いただき、ご厚情を賜りました関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

 

※受賞作品は、会期中審査にて決定いたします(詳しくは下記リンクの「展覧会情報」をご覧ください)

 

●第6回 石本正日本画大賞展 展覧会情報

沿革


(年度) (展覧会名)  
2011年 「美術大学選抜日本画展」 (通算1回)
2012年 全国美術大学奨学日本画展」 (通算2回)
2013年 全国美術大学奨学日本画展」 (通算3回)
2014年 全国美術大学奨学日本画展」 (通算4回)
2015年 「第1回 石本正 日本画大賞展」 (通算5回)
2016年 「第2回 石本正 日本画大賞展」  (通算6回)
2017年 「第3回 石本正 日本画大賞展」 (通算7回)
2018年 「第4回 石本正 日本画大賞展」 (通算8回)
2019年 5回 石本正 日本画大賞展」 (通算9回)
2020年  ※ 新型コロナウィルス感染症の影響で開催中止  
2021年 「第6回 石本正 日本画大賞展」 (通算10回)

<成り立ち>

2011年、島根県西部・石見地方から全国に向けて芸術文化を発信する「碧い石見の芸術祭」(主催 芸術と文化のまちづくり事業実行委員会)がスタート。年間を通して様々なアートイベントを企画する中で、全国の美術系大学で日本画を学ぶ学生を奨励する展覧会として開催

<展覧会名改称について>

2011年の開催当初から、石本正先生は自分の名前を公募展に冠することを固辞してこられました。しかし、先生の「絵に対する心」を柱とした展覧会であることから何度も重ねてお願いし、ようやく「第1回 石本正 日本画大賞展」として開催が決まっていた矢先のこと。20159月に石本先生が急逝されました。若い力あふれる学生の作品を見たいと念願されていた先生に、作品を見ていただくことも、直接ご指導いただくことも叶わなくなりましたが、その精神を受け継ぐ審査員の先生方をはじめ、多くの方々のご協力を得ながら、「石本正 日本画大賞展」として新たなスタートを切ることとなりました。