2023年 「第8回 石本正 日本画大賞展」 受賞作品

大賞


 田畑 奈那子 (沖縄県立芸術大学 修士1年)
《回廊》

 

【作品コメント】

回って繰り返す、巡ってまた戻る。メッキが剥げて錆びた屋根から夏の空が降ってきて、道のあちらこちらに飛び散った。

 

【受賞のことば】

素直に夏の空を思って表現できた絵でした。

制作では後戻りできない一手一手を入れていく難しさを感じながらも、はやるようなわくわくする気持ちで取り組めました。

受賞のご連絡を頂き、本当に嬉しかったです。

いつもご指導して頂いている先生方にも感謝しております。今後も真摯に作品に向き合い精進して参ります。


準大賞(第一席)


 宮地 ひなの( 京都芸術大学 修士1年)
《あの時

 

【作品コメント】

過去のトラウマだったことが過去の自分と共に現れ、現在の私は第三者の立場でトラウマと向き合う夢を見た。この夢をきっかけに過去の自分が他人のように思え、自己と他者という存在について考えるきっかけになった。

 

【受賞のことば】

この度準大賞という名誉ある賞を頂きとても光栄です。作品を制作する時自分が今やっていることは何なのかを常に悩み制作をしています。今回の作品もひたすら悩み抜いた末の作品です。そんな作品が今回のような賞を頂けて報われた気持ちでいっぱいです。今後も変わらず制作に励みたいと思います。ありがとうございました。


準大賞(第二席)


許 新航 (京都芸術大学 修士1年)
 《水と石》

 

【作品コメント】

一見どこでもありふれた石ですが、水との組み合わせで、別の世界のような不思議な風景に感じた。じっと静かに動かない石と、流れ続けていく水とは好対照となり、絶え間なく流れていく時間を感じ取る。

 

【受賞のことば】

この度は準大賞を頂戴し、驚きと同時に非常に光栄に思います。制作中は、水が石の形を「借りる」ことで一定の形になり始め、普段の見方と異なるイメージに変化していく過程を見て、満ち溢れた生命力を感じ取りました。この感動を心に刻み込み、自分の絵画スキルを向上させ、磨き続けるように、より一層励んでまいります。


特別賞(日本海信用金庫 理事長賞)


福岡 めぐみ (崇城大学 修士1年)
 《描く

 

【作品コメント】

絵を描くときに生まれる、黒くて重たい不明瞭な感情と、嫌という程に繊細で美しい日本画の儚さを、この枠の中に込めました。  

 

【受賞のことば】

今回の作品は新しいことへの挑戦が多く、手探り状態の中での制作となり不安もありましたが、このような賞を賜り心から感謝申し上げます。ご指導いただいた先生方や支えてくださった皆様への感謝を忘れず、今後もより自分らしく日本画と向き合えるよう精進して参ります。 


特別賞(浜田芸術文化のまちづくり推進協会賞)


福留 亜未 (大分県立芸術文化短期大学 専攻科1年)
 《まどろみ》

 

【作品コメント】

暖かな日差しが降り注ぎ、お昼寝をしたくなるような、そんな晴れた日の心地よい陽気を表現しました。

 

【受賞のことば】

この度はこのような賞をいただき、大変嬉しく思っております。

今回の作品は今までとは違う新たな表現に挑戦した作品だったので、とても励みになりました。

この経験を糧に今後も精進してまいりたいと思います。ありがとうございました。

 


奨励賞(50音順)


 

summer rains磯部 知宏

(筑波大学 修士2年)

 

【作品コメント】

夏のじめじめした気候と靄(もや)の晴れない自分の気持ちを重ねて描きました。背景には水辺に生える植物である燕子花(かきつばた)を描きました。暑い中、葉がまっすぐいきいきと伸びる様子に元気をもらったので選びました。

 

【受賞のことば】

この度はこのような賞をいただき非常に嬉しく思います。これを励みにこれからの制作活動も精進して参りたいと思います。

作品に描いた燕子花は、美術館で《燕子花図屏風》を見た時に感動し、実物の花を見てみたいと思ったためモチーフに選びました。大学近くの植物園で栽培されていたので、通ってスケッチを重ねました。

 

心弛び(こころゆるび)大西 佑奈

(嵯峨美術大学 修士2年)

 

【作品コメント】

身近な存在が寛いでいる光景を思い出すだけで、私も自然と安心感を覚えます。その心地よい情景を描きました。

  

【受賞のことば】

この度は奨励賞を授与していただき、たいへん光栄に思っております。お世話になっている方々、応援してくださっている方々に良い報告ができて嬉しく思います。賞をいただいた作品は、制作する中でたくさんのものが得られました。この経験を糧に、より一層精進して参ります。ありがとうございました。


対岸に出会う小河 彩乃

(武蔵野美術大学 修士1年)

 

【作品コメント】

信号待ちの時に見えた向こう側の風景です。

大きな植物が梅雨の時期、雨に降られ熱い日差しを浴びていくうちに草臥(くたびれ)て傾(なだ)れていました。その姿は、こちら側にいる暑さでへばった自分のようでした。 

 

 

【受賞のことば】

この度は奨励賞をいただき、心から感謝申し上げます。エアコンがあまり効いていないアトリエで誰もいない中、暑さと闘いながら制作していた日々を思い出します。制作していく上で様々な苦悩がありますが、今回のような成果に結びついたことを忘れず、より一層制作に励みたいと思います。改めて今回は有難う御座いました。

事務の明かり》 田原 有可里 

(金沢美術工芸大学 3年)

 

【作品コメント】

去年の初冬、だんだんと外が暗くなり、学生らが帰路に就くなか、大学の事務局の明かりが一等明るくついていました。そのなかで遅くまで働いている人達をふと眺めた時の情景を拙いながらも、作品にしました。

 

 

【受賞のことば】

この度は、奨励賞を頂き光栄に思います。まさか自分が受賞をいただけるとは思っておらず、また大学に入って初めての賞なのでより一層嬉しく感じています。この受賞を糧に、制作と向き合い、更に精進していきます。貴重な経験をありがとうございました。

 


 

つぎはぎと記憶》 冨永 拓眞 

(京都精華大学 修士2年)

 

【作品コメント】

街角のありふれた壁から、古い記憶が消えていく儚さと、新しい体験を取り入れて前に進む強さを感じた。古い面が少しずつ消えて、新しい壁に変わっていく様子が、人の記憶のありようを示しているように思えた。

 

【受賞のことば】

この度は第8回石本正日本画大賞展奨励賞を授与していただき、誠にありがとうございます。また、日頃ご教示いただいている皆様にもお礼申し上げます。今回の作品は自分にとって挑戦でもあったので、評価していただくことができ、嬉しく思います。ご期待に応えられるように精進して参りますので、今後の作品も御高覧いただけると幸いです。

 


本サイト内の画像の無断転載・転用を禁止します。