本展は、島根県浜田市出身の日本画家・石本正(1920-2015)の功績を顕彰し、未来への希望に満ちた学生の創作活動を奨励するものです。長きにわたる画業の中で後進の育成にも心を注ぎ、多くの画家を画壇へ送り出してきた石本は「学生の作品には欲が無く気力がある。作家と対象との心の交流があり、見る者に訴えかけてくる」と語り、若い力が生み出す作品の純粋性を愛していました。

石本正 日本画大賞展では、全国で日本画を修める大学に推薦を依頼し、石本の画心を受け継ぐ選考委員の方々より、優秀な作品に賞を与えて奨学します。昨年は、新型コロナウィルス感染症拡大自粛要請に伴う全国の芸術大学の授業状況を鑑み開催を見送りました。

 

しかしこのような時こそ、学生の皆さんの創作の励みとなる展覧会でありたいと考え、2011年の美術大学選抜日本画展から数えて記念すべき10回目として開催を決めました。本年も心あるすばらしい作品が出品されることを願っております。